おひさま岡町保育園分園様は、豊中市内の閑静な住宅街の一角にある保育園です。
1階からも2階からも騒音が聞こえます!以前は防音シートのみの対策でしたが充分ではなく近隣からの苦情は絶えませんでした。
近隣住民の方々は、園児による声の騒音にはかなりのストレスを感じられていました。夏期のプールで園児が遊ぶ声、春秋期の気持ち良い風の換気時の園児の遊ぶ・泣く声等が、風に乗り、近隣住民の方々に届いていました。そこで、当社の「防音塀」を用いることで、この騒音問題を解決に導く運びになりました。
施工前で65dBを記録していました。決して、高くない値でしたが、確かに、こどもの声はうるさく感じました。近隣の住宅では、子ども達の声が騒音となり、更に気分的に割増しで聞こえる感じであったようです。上空を飛ぶ飛行機の音と比べ同程度の騒音音圧でしたが、確かに、園児の声の方が、耳に残る音でした。主観的な感覚がどうしても入るという問題でありました。
そこで高さが6mの防音壁を造ることにいたしました。
防音塀の設置後
その結果、高さ6mの塀にも関わらず、まったく威圧感がないという施主様・住民からの高い評価を得ることができ、園児の騒音問題の防音効果を確かめることができました。
本工事での作業内容
- エビデンスをしっかりと取得し、それに基づく設計を行いました。近畿大学西村教授の知見・岡山工業試験場眞田技師との試験結果の解析・分析を基にした、防音塀の設計をいたしました。
- 東洋大学松永教授・他1級建築設計士等による防音塀デザインの作成によって、街並み景観に添えるようにいたしました。
- 近隣住民・保育園関係者の方々に工事前、現場説明を行いました。
- 引き渡し検査時には、近隣住民の方々・施主様交えて、騒音の変化を体験していただき、理解していただきました。
作業工程
都市型狭小地の保育園・幼稚園では、園児達の声騒音は宿命的な課題でした。
元々設置してあった防音シートの架構を利用して高さ6mの防音塀を造ります。
既存H鋼に部品を取り付ける穴加工です。厚さ10㎜もあるH鋼に部品取り付け穴をあけるのは大変です。
H鋼に穴あけ加工したところにはさび止め用の特殊防錆塗料で補修しております。
高さ6mの塀なので耐風圧42mで設計しております。取り付け部品はメンテナンスを考慮してZAM(ザム)4㎜で製作しました。
高さ6mの高所作業は危険を伴いますので、充分に注意をはらって行いました。
耐風圧42mは、保育園の塀というということもあり、安全性を優先した設計です。
中間梁の取付ができました。
中間梁の取り付け状況の全景です。
高さ6mの防音壁のアルミ柱は中間梁にしっかりと取り付けられました。
いよいよ木板の差し込みが始まりました。
高くて狭い場所での作業は困難を極めました。
木板の差し込みは風の森保育園で経験しているので、スムーズに進みました。
国産の桧が美しい木目を出しています。
上部の色の濃い木板は、将来のメンテを考慮してACQ加圧注入の防腐処理をした上にキシラデコールを塗布して防腐性能を向上させています。
あけぼの風の森保育園でも木板の切れ端を処分するのではなく園児達の玩具として活用しておりました、ここ「おひさま岡町保育園分園」でも園児達の玩具として活用しました。捨てればゴミですが使えば資源です。
高さ6mの防音塀の柱は大空に向かってそびえ立っています。
屋根よりも高い塀になりました。
木板の差し込みは順調に進んでいます。
木板の差し込みが終わり中空ポリカの到着です。
中空ポリカの差し込みが始まりました。
1列目の差し込みが終わりました。そよ風が吹いても地上7mの位置では、風圧が危険です。注意をはらって行いました。
作業は順調に進んでいます。
北面のポリカの差し込みは終わりました。
南面ももう少しです。
中空ポリカの表面温度は40度ですが、すぐ下の温度は10度も低い30度でした。
中空ポリカの差し込みはもう少しです。
防音塀の笠木取付です。
笠木取付が終わりました。
防音塀最下部の音漏れ防止のゴムシート張りです。
高さ6mの防音塀の完成です。
2Fバルコニーからの測定です。
ご近所の住宅でも騒音測定をさせていただきました。大きな成果を得ることができました。
園児達、園の先生方や近隣の方々には2ヶ月以上に亘りご迷惑をおかけ致しましたが、これで少しでも近隣の方々にはお役に立てたと確信しております。
ありがとうございました。